【4つのトリガー】パチンコ・スロット依存衝動をチェックリストで確認しよう

ギャンブルは「なんとなく」で始まる

ギャンブルって、「やろう」と決めて始めるというより、
気づいたら行きたくなって、自然と決めていた、というケースが多くありませんか?

その背後には、感情などのトリガー(引き金・きっかけ)がある場合がほとんどです。

「自分のトリガーは何か?」について、脳のしくみと依存傾向の視点から、一緒に考えていきましょう!(チェックリスト付き)

この記事では15年ギャンブル依存症だった私自身が実際にパチンコ・スロットから抜け出した方法をわかりやすく解説しています。

同じように悩んでいるあなたのギャンブル脱出の手助けになれたら嬉しいです。

この記事で分かること
  • ギャンブル衝動の回数を減らす方法
  • チェックリストでギャンブルのトリガーを簡単チェック!
  • 今後の対策方法

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

STEP確認

この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP3-2」です。
シリーズの他の「STEP 3」記事もあわせて参考にしてみてください。

シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。

目次

【結論】目的は「スイッチが入る瞬間」を減らすこと

ギャンブル脱出の第一歩は、“行きたいと思う回数”を減らすこと。

その為には行きたいと思う“ギャンブル衝動”に繋がるスイッチが入る瞬間を減らすことが必要になってきます。

そしてこのスイッチは残念ながら無くすことは出来ません

ですので「このスイッチをどうやって無くすか」ではなく、スイッチが入らないように、“先にトリガーと呼ばれるきっかけを減らす”ことが重要になってきます。

トリガーを減らすことで、自然と「行きたいと思う回数」そのものが減っていきます。

トリガー(1個以上) → スイッチON → 脳が自動で快感を欲求 → ギャンブル衝動!!

このサイトではまずはスイッチに触れにくくする。そしてそのあとでスイッチではなく、スイッチの結果起こる“ギャンブル衝動”を段々と弱めていきます。

今回の記事ではそのトリガーとスイッチについて解説していきます。

保全士:ひろのぶ

スイッチはもう設置済み──ならば“触らせない”ことが大切。
設備でも、異常を起こすスイッチにはまずは「カバー」をつけたり「近づけない工夫」をします。

助手:モンキー君

そのあとにスイッチを押してしまっても“重大故障”にならないようにダメージを減らす対策をしていくわけだね!

トリガーとは「無意識のきっかけ」

トリガーとは、あなたの行動を自動的に引き出してしまう「きっかけ」のこと。

たとえば

  • 仕事帰りに疲れて、とりあえず行くかとホールに入る
  • 何かにイライラしたあと、無性にパチンコで発散したくなる
  • 暇でやることがないとき、「そうだ、ギャンブルでも行くか」と思いつく
  • 給料日後の“気が大きくなった日”に、つい寄ってしまう

これらはすべて、「感情」や「時間」「環境」といったトリガーによって引き起こされたものです。

依存のスイッチは、すでに“作られている”

依存症というのは、「やろう」と思ってやるというより、気づかないうちに反応してしまう

“脳のスイッチ”が、すでに作られてしまっている状態です。

スイッチが入る

だからこそ意思や根性でなんとかしようとしても、すぐにまた“スイッチが入ってしまう”。

たとえば

  • 仕事帰りに疲れて、とりあえず行くかとホールに入る
    • 疲れ【感情】+帰宅ルート【状況】
  • 何かにイライラしたあと、無性にパチンコで発散したくなる
    • ストレス【感情】+時間に余裕がある【状況】

このように複数のトリガーが重なって、スイッチが入ってしまいます。

この“スイッチ”は、専門的には「条件づけされた報酬期待」や「自動思考」とも呼ばれ、ギャンブルと関連した情報を見たり思い出すだけで、快感の記憶を脳内で自動読み出ししてしまうとされています。

分かりやすくまとめると下記の流れになり、この流れを一言で言うとこれがあなたの「クセ」傾向・パターンとなります。

トリガー(1個以上) → スイッチON → 脳が自動で快感を欲求 → ギャンブル衝動!!

トリガーが“組み合わさる”とスイッチになる

トリガーが単体だった場合どうなるかを別の状況をたとえにして整理してみました。

たとえば

  • 暇でやることがないとき、「そうだ、ギャンブルでも行くか」と思いつく
単体のトリガー単体では動かないことも
退屈だったでも用事が出来れば行かなかった
ATMでお金を下ろしたでも他の予定があれば我慢できた
ホールを通りかかったでも気分が良ければスルーできた

👇そして組み合わさると…

組み合わさった状態スイッチが入る瞬間
退屈+ATM+ホール前を通過→ なぜか吸い込まれるように入っていた

この場合はATMとホールの前を通過が「前日の夜」と仮定しています。そして次の日の休日に暇でやることがないことで3つのトリガーが繋がり「そうだ、ギャンブルでも行くか」と思いつく流れです。

これはまだ依存の初期状態を仮定していますが、依存症が進めば進むほど些細なトリガーですぐスイッチが入るようになっていきます。

保全士:ひろのぶ

単体では問題の出ない部品も、“ある条件が重なったときだけエラーを起こす”ってのは、現場ではよくあります。
「この組み合わせが危険」ってパターンを記録して、“再発防止”の設計に活かします。

スイッチは“無くせない”──でも「入りにくく」することはできる

ここで大切なのは、スイッチ(=依存行動の起動条件)を完全に消すことはできないという点です。

なぜなら、これまでに繰り返してきた行動は、すでに脳の回路として“設置+強化”されているからです。

たとえば

何度も使った道が踏み固められ歩きやすくなるように、脳も「楽しかった」「気がまぎれた」といった経験と行動を結びつけて、その道(回路)を強化してしまっています。

ギャンブルでたとえると

  • イライラしたとき → ギャンブルでスッキリした
  • 暇だったとき → ギャンブルで刺激を得た

このような体験が何度も繰り返されることで、脳は「感情」や「状況」に反応して、自動的にギャンブルに向かうようになってしまうのです。これは“意思”ではなく“反射”に近いもの。

つまり、「もうこのスイッチを無くしたい」と思っても、一度できた回路は、ある程度残り続けます

入りにくくする

でも安心してください。「触れにくくする」ことは可能です。

このサイトではまずは触れにくくする。そしてそのあとでスイッチではなく、スイッチの結果起こる“ギャンブル衝動”を段々と弱めていきます。

順番の理由としては手っ取り早いのがまず触れにくくすることだからというのと、“ギャンブル衝動”を弱める為にもギャンブル頻度を少しでも下げておいた方が楽だからになります。

よくある“トリガー”リスト

ここからは自分にとってのトリガー(スイッチ)を見つけていきます。下記のように分類して考えると、気づきやすくなります。

【人】がトリガーになる例

  • □ ギャンブル仲間からの誘い
  • □ 「久しぶりに行ってみる?」と何気ない一言
  • □ ギャンブル好きの友人のSNS投稿を見る

【感情】がトリガーになる例

  • □ 退屈・孤独感(1人でいるとき)
  • □ ストレス(仕事・家族・将来への不安)
  • □ イライラしたあと/何かを忘れたいとき

依存衝動トリガー・セルフチェックリスト

実際にセルフチェックをしてみましょう。ここではトリガーを“4つに分類”して考えることで気付きやすくなっています。

チェックが多いほど、あなたの脳には「スイッチが入りやすいトリガー」が組まれている可能性があります。

🔸【人】がトリガーになる

  • □ ギャンブル仲間からのLINEや誘いが来ると行きたくなる
  • □ 友人や職場の人と「最近どう?」と話していてギャンブルの話題が出た
  • □ SNSで誰かの勝った報告を見るとうらやましくなる
  • □ ギャンブル好きの知人と会ったあと、無性にやりたくなる
  • □ たまたま職場でギャンブル好きな人の話を耳にするだけで、思考が引っ張られる
  • □ 過去に一緒に行った知人・家族との思い出話や写真を見返していたとき
  • □ 「○○はギャンブルやってたよな」と他人から言われたとき、ついその気になる

🔸【感情】がトリガーになる

  • □ 仕事・家庭でストレスを感じたときに“発散したい”気持ちになる
  • □ 退屈・やることがないときにギャンブルが頭に浮かぶ
  • □ 孤独を感じたときに、にぎやかな場所(ホールなど)に引き寄せられる
  • □ 落ち込んでいるとき「気を紛らわせたい」気持ちになる
  • □ 嬉しいことがあった日、「今日はツイてるかも」と思ってしまう
  • □ 不安や将来のことを考えて気持ちが焦ると“手っ取り早い稼ぎ”が頭に浮かぶ
  • □ 頑張ったことが報われなかったとき、「何かで取り返したい」と思ってしまう
  • □ 頭が疲れていて「考えるのが面倒なとき」、単純に刺激を求めてしまう
  • □ 自分を責める気持ちから「どうにでもなれ」というヤケ気分が湧く
  • □ 他人と比べて「自分だけ取り残されている」と感じたとき

🔸【時間・状況】がトリガーになる

  • □ 給料日やボーナスが入った直後
  • □ 平日休み・予定のない休日など、時間に余裕がある日
  • □ お金に余裕があるとき(財布に1万円以上入っているなど)
  • □ 帰宅ルートの途中/特定の時間帯になると「いつもの流れ」で行ってしまう
  • □ 退勤後、家に帰る前に寄り道したくなるタイミングがある
  • □ 長時間の移動中(電車・バスなど)、スマホでなんとなく検索していたらギャンブル関連に辿り着く
  • □ 季節イベント(GW・お盆・年末年始など)、特別な気分や非日常感があるとき
  • □ 夜更かしして眠気があり、「判断力が鈍っている時間帯」
  • □ 月末や月初など「お金の出入りの節目」に気持ちが揺れる

🔸【物理的刺激】がトリガーになる

  • □ パチンコ店や競馬場など、ギャンブル施設の前を通ると気になる
  • □ 昔勝った機種の名前や音、ホールの匂いなどを思い出すことがある
  • □ 過去の大勝ちの記憶が時々フラッシュバックする
  • □ スマホやYouTube、SNSにギャンブル系広告・動画が流れてくる
  • □ 銀行ATM/お金を下ろした瞬間、使いたくなる衝動が起こる
  • □ ギャンブルに使っていたノート・メモ帳・戦歴表などを見たとき
  • □ ギャンブル系アプリ・サイトがスマホにまだ残っている
  • □ コンビニや駅構内などで「○○で当たる!」などのくじ・キャンペーン広告を目にするとスイッチが入りそうになる
  • □ ギャンブルに使っていた財布やスマホケースなどの物を見たり使ったりすると気分がリンクしてしまう
  • □ テレビ番組やドラマ・アニメでギャンブルや勝負事のシーンを見ると、ついその気になる
  • □ 深夜帯に部屋が静かで明かりも暗めな環境になると、スマホで過去の記録や広告に触れやすくなる

判定の目安

  • 0〜2個程度なら:トリガーはまだそれほどない段階かも。今のうちに環境を見直すと◎
  • 3〜5個なら:トリガーが日常に多く潜んでいます。注意しないと“脳”が強化されやすい状態です
  • 6個以上なら:かなりの確率で「スイッチ」が作動している可能性があります。次の対策ステップを準備しましょう
保全士:ひろのぶ

調査記録でも、異常は「ランダム」じゃなく「条件がそろうと起きる」ことが多いんです。
あなたの行動も同じで、“トリガー”がわかれば、そのタイミングに「カバー」をつけたり「近づけない工夫」をします。

※このリストは、医師や専門家による診断を目的としたものではありません。
あくまで自己理解と振り返りのための参考情報です。
状況に不安を感じる方は、以下のような公的な専門機関にご相談いただくことをおすすめします。

厚生労働省 依存症対策ポータルサイト

記録の中から「あなたのトリガー」は見つけられる

前回の記事で紹介したような記録をつけていくと、必ず「クセ」が浮かび上がってきます。

  • 行きたくなるのは、いつも決まって○○のあと
  • お金に余裕がある日ほど危ない
  • 特定の感情(イライラ・退屈)とセットになっている

その「クセ」を分解してトリガーとスイッチとして見える化することで自分の取り扱い説明書になっていきます。

保全士:ひろのぶ

設備でいうと図面です。今までは図面が無い状態で直そうとしていたようなもの。
ですがこれが見えてきた時点で、あなたは“エラー箇所”を発見したようなものです。

【まとめ】トリガー&スイッチに気づけたあなたは、抜け出す準備ができている

スイッチがどこにあるのかが分かったら、あとはそのスイッチが入りにくい環境にしていくことが次のステップになります(STEP3以降で詳しく紹介)。

たとえば

  • 帰り道を変える
  • ATMに行く時間をズラす
  • スマホの通知をオフにする
  • 給料日は予定を入れておく

こうした「スイッチに触れない工夫」が、行動変化につながっていきます。

ポイント
  • ギャンブル衝動には、感情や環境が引き金になっていることが多い
  • その「引き金=トリガー」は、自分でも気づかないうちに反応する
  • トリガーを記録することで、スイッチ(依存行動の起動条件)が見えてくる
  • スイッチを完全に消すことはできない
  • でも、スイッチが「入りにくい状態」は作れる(次回記事で解説)

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

次回

次は、トリガーが組み合わさったときにだけ起動する自分だけの「スイッチ」について解説します。

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このサイトが大切にしていること

「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の仕組み”が乱れていただけだったんだと気づきました。

このサイト「脱出思考」では、機械保全士として培った現実重視の“整備の視点”をベースに、脳科学や心理学の知識、そして僕自身の体験をもとに、思考や感情を“仕組み”として捉えるヒントをお届けしています。

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参考・出典

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