本当にギャンブルは「お金が目的」なんですか?
「お金が欲しいからギャンブルをする」
そう考える方は少なくありません。
でも、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
- なぜギャンブルで稼ごうと思うのか?
- 本当に“金銭的にプラス”になっているのか?
- 稼げると本当に思っているのか?
この記事では、「パチンコ・スロットの目的は金銭だったはずが、気づけばやめられない」という状態になっていないかどうかをチェックし、本当の目的を確認する内容になっています。
- 金銭目的がどうかセルフチェック可能
- 金銭目的の人とそうでない人の違い
- 目的がズレていく原因を説明
STEP確認
この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP0-4」です。
シリーズの他の「STEP 0」記事もあわせて参考にしてみてください。
- STEP 0-2【依存症かも?と思ったら自分を見直そう】
- STEP 0-3【本当の目的は“刺激”や“快感”?】
- STEP 0-4【本当の目的は“金銭”?】 ←今ココ
- STEP 0-5【パチンコ・スロットはやめるべき?】
- STEP 0-6【パチンコ・スロット依存を放っておくと?】
- STEP 0-7【パチンコ・スロットにハマりやすい人】
シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。
【目的】ギャンブルの健全な目的とは?
ギャンブルを適度に楽しんでいる人たちの多くは、以下のような目的で遊んでいます。
健全な目的(メリット)と、支払う対価(デメリット)
目的(メリット) | 内容例 |
---|---|
景品・金銭・配当が得られる | 物理的な報酬として魅力がある |
気分転換になる | 日常の疲れをリセットできる |
非現実感を味わえる | パチンコや競馬の演出・音・映像世界に没入 |
当たったときの興奮・達成感 | 自分で引き当てた喜び、刺激の強さ |
ストレス発散 | 嫌な気持ちを一時的にリセットできる |
レジャー・社交的要素 | 友人や家族と一緒に楽しむ時間になる |
💸対価(デメリット) | 内容例 |
---|---|
金銭の消費 | 遊びに必要なコスト(使いすぎに注意) |
時間の消費 | 数時間単位で過ぎてしまうリスク |
精神的影響 | 負けたときの落ち込み・イライラなど(依存が進行すると強くなる) |
これらは、お金や時間という“対価”を支払い、そのぶんの刺激や満足感を得るという構造です。
いわば「対価と満足のバランス」が保たれている状態が健全なギャンブルです。
【実施】セルフチェックリスト
あなたの目的は本当に“お金”でしょうか?
次の10項目のうち、あてはまる数が多いほど、金銭目的のつもりが“依存”や“逃避”になっている可能性があります。
ギャンブル目的チェック(Yes / No)
- □ 「負けたら取り返すまでやらなきゃ」と思ってしまう
- □ 当たったときの“スカッと感”が忘れられない
- □ 気づけば財布にある以上のお金を使ってしまう
- □ 「この流れなら当たるはず」という“根拠”で動いている
- □ 冷静な損切りができず、ズルズル続けてしまう
- □ お金を稼ぐ手段が他に思いつかない/行動できない
- □ 勝ったあとすぐ「また打ちたい」と思う
- □ 負けた日はイライラし、日常にも影響する
- □ 「あと1回だけ…」を何度も繰り返している
- □ 「金のため」と言いながら、総額で負けている
判定の目安
- 0〜2個程度なら:行動に注意を向ける段階かもしれません
- 3〜5個なら:すでにギャンブルに生活を支配されつつある傾向が見られます
- 6個以上なら:金銭目的ではなく、快感・逃避行動になっている可能性が高いかもしれません

チェックリストは機械でいうところの警報が鳴ってる状態です。
そのまま停止せずに放置すると機械はもっと壊れます。
もし今、脳内で“やめたいのに止まらない”という警報が鳴ってるなら、それは「停止(やめる)」が必要ということです。
【説明1】「勝てる気がする」構造になっている
ここからは目的がズレていく原因を簡単に説明していきます。
ギャンブルはそもそも、胴元(お店や主催者)が利益を得る設計になっています。
つまりプレイヤー(私たち)が平均的には負ける仕組みです。
たとえばパチンコやスロットで言えば、還元率は85~90%前後。
つまり、1万円入れれば8500~9000円が戻ってくる“設計”になっています(長期的には)。
でも──
- 当たったときの快感
- たまたまの勝ち
- 「前は勝てた」記憶
これらが「自分は勝てるかも」という錯覚を生み出します!
【説明2】“勝者”が希望ではなく、落とし穴!
一部の“勝者”が希望ではなく、落とし穴になっているかもしれません。
どういうことかというと、ギャンブルは勝てないと言われても、実際やる人の多くはこう思うはず。



「でも、勝ってる人もいるよね?」
確かに存在します。
しかし──
- ほんの数%の勝者の存在を見て希望を持っている
- 残りの大多数が「自分もいけるはず」と思って負けているのが現実
つまり「自分は例外になれる」と思うことで、例外になれていない現実を見逃すことになります。
【説明3】「快感」や「逃避」が目的
金銭が目的のはずなのに、実は「快感」や「逃避」が目的になっていないか?
ここが一番の落とし穴です。
あなたはこう言うかもしれません



「金が目的だ。本気で勝ちたいだけだ」
でも、もし本当にお金が目的なら──
- 確率の低い台には座らない
- 損切りを徹底する
- 感情的に突っ込むようなことはしない
- ロジックや投資のように管理するはずです
もしそれができていないなら、
“お金”を理由にして、実は“快感”を目的にしてしまっているから”かもしれません。
【説明4】追い詰めてから勝ったときの“快感”が中毒
皆さんは自分が追い詰められてから勝ったときの“快感”が中毒になるということを知っていますか?
たとえば
- 「もう残金1,000円で当たったとき」のあの爽快感
- 「何万円も負けた末に引いた大当たり」の開放感
- 「生活費を賭けて勝利したとき」の興奮
これらはお金を得た喜びというより、“苦しい状態からの解放”を快感にしてしまっている状態です。
だからまた無意識に“追い詰めたくなる”──
このループに気づかずにいると、金銭目的だったはずが快感目的にすり替わってしまいます。
そして得られる快楽は依存性が非常に高いことから徐々に依存症へと変わっていきます。
【補足説明1】金銭目的のギャンブルは絶対NG?



銭目的のギャンブルは絶対NGなのか?
これは必ずしもそうではありません。
戦略や資金管理を徹底している「職業ギャンブラー」や「投資家的プレイヤー」が存在するのも事実です。
ただしそれは、
- 膨大な情報分析
- 冷静な自己管理
- 感情に流されない規律
これらを徹底できる人のみです。
もしそれができないまま「金のため」と言い続けているなら、
それは“金銭目的”ではなく“逃避的な衝動”になっている可能性が高いです。
【補足説明2】どれくらい“払っている”のか?
実際にどれくらい払っているのか。つまりどれだけ“負けているのか”を調査してみました。
例えば2023年の一人当たりの平均年間損失額は以下の通りです
- パチンコ・スロット:約33万円
- 競馬:約19万円
- 宝くじ:約8,000円
これは私が「年に1回でもプレイした人」をプレイヤー全体数としてギャンブル市場利益を割った数値になります。
ですのでライトプレイヤーも含んだ結果ですが、本格的にハマっている人は、
この何倍もの金額を使っていると考えられます。
そして仮に勝っている人が5%いたとして、その5%が得ているお金は他の95%の“負け”で補われているという現実もありますので勝っている人がいる場合、この損失額は更に増えていきます。
【まとめ】目的を“お金”にするなら、その覚悟と条件を自分に問おう
あなたのギャンブルは、本当に「金を得る手段」として機能していますか?
それとも、「たまたま勝った快感」を追っているだけになっていませんか?
- 当たった瞬間に救われたい
- ストレスから逃れたい
- ただ一瞬でも気持ちよくなりたい
……そんな状態になっていませんか?
もしそうなら、それは「健全な娯楽」ではなく、ギャンブル依存症の可能性があるかもしれません。
そして金銭目的でギャンブルをしているとしたらその目的が、幻想や錯覚に支配されていないかを一度冷静に見つめ直してみると見えてくるものがあるかもしれません。
この記事がその気づきの一助になれば幸いです。
- ギャンブルで“稼ぐ”には極めて不利な構造
- 勝てる気がする仕組み(錯覚)に人はハマりやすい
- 金銭目的と言いつつ、実は快感や逃避になっていることがある
- 本当にお金が目的なら、感情ではなく“戦略”で動いているはず
- 自分の目的を明確にし、ギャンブルの現実と向き合うことが第一歩
次回
次は「ギャンブルを完全にやめるべきなのか?」それとも「うまく付き合えばいいのか?」を詳しく解説します。
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参考・出典
- 厚生労働省,依存症についてもっと知りたい方へ,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html - 厚生労働省,依存症対策,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html