【パチンコ・スロット脱出ガイド】我慢に頼らない!やめるための“9つのステップ”を解説

パチンコ・スロットを9つのステップアップでやめる方法を解説

パチンコ・スロットをやめたい方へ

こんにちは、「脱出思考」管理人のひろのぶです。

この記事では15年ギャンブル依存症だった私自身がパチンコ・スロットから抜け出した道のりを、9つのステップで解説しています。

同じように悩んでいるあなたの、脱出の手助けになれたら嬉しいです。

この記事で分かること
  • 無理なく楽にギャンブルをやめる方法8ステップの流れ
  • 1人でも実施が可能な方法
  • サポートを受けたい場合の案内

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

書いた人

私は40歳まで工場で機械保全士として働いていましたが、その裏でギャンブル依存症に苦しんでいた時期があります。

毎日時間があれば行きたい気持ちになり、とにかくパチンコ屋に向かっている自分がいました。

「やめたい気持ちはあるが、どうしてもやってしまう」

「負けた日は自己嫌悪と後悔を繰り返して、イライラが止まらない」

「それでもいつかやめられるタイミングが来るだろうと諦める」

そんな日々が続いていたのです。

その頃はどうしてこんなことを繰り返してしまうのか、自分でもわからず悩んでいました。

保全士:ひろのぶ

ですがそんな私でも無事ギャンブルをやめることができました!

このブログでは過去の自分にぜひ読んで欲しい!!

──という敵わぬ願いを、せめて同じように困っている方の役に立てばと書いたものになります。

読者の皆様

ちなみに結局のところ根性論や精神論でやめたのかな?

保全士:ひろのぶ

我慢が出来ないのは根性が足りないから、精神が弱いから、意思が弱いから、そんな人によって左右される不確かなものには頼りません。(私はそれではやめれませんでしたので…)

助手:モンキー君

自分にもできるかな…?

保全士:ひろのぶ

私は設備保全士として現実的な視点と論理的な思考がベースになっています。そのため今回の方法も脳科学や心理学の知識を踏まえて原因を追究して、設備対処マニュアルのように作っていますので安心してください。

目次

【結論】ギャンブルをやりたいと思わないようになる

まず結論から言うとギャンブルを無理なく楽にやめられるようになる為には

「ギャンブルをやりたいと思わない」ようになることです。

読者の皆様

「それが出来れば苦労はしない!」

もちろんそう思う事でしょうが、よくある「お金を持たない、パチンコ屋に近寄らない」といった対策ですと、

物凄い我慢を強いられることになります。

そしてそれが可能ならみんな辞められているわけですので、それに頼らない方法が必要となります。

“我慢”を最小限に抑えて楽にやめられるようになる、その為に目指す目標が「ギャンブルをやりたいと思わない」ようになることです。

そしてそれを可能にする為の方法がこの後で解説する“7つのステップ”になります。

保全士:ひろのぶ

ギャンブルをやめることは、機械設備を直すことにかなり似ています。
ギャンブルをやりたい = ギャンブル回路が作られている状態で、他のどの回路より優先されているようなもの。
回路を一つ一つ読み解いて対策の仕組みを作って行くことで設備(人)にかかる負荷(我慢)を最小限に抑えることができます。

【要因】ギャンブル依存症がやめられない3つの要因

皆さんはギャンブルがやめられない要因(主な原因)は何だと思いますか?

私は様々な本や資料を調べた結果として3つの要因があると結論を出しています。

  1. 依存対象がある
  2. 依存仲間がいる
  3. 本人がやめたいと思わない

1つずつ解説していきます。

①依存対象が自分の手の届く範囲にあること

1つ目は依存対象であるパチンコ、スロットが自分の手の届く範囲にあることです。これは分かりやすいですが対象がなければ依存も出来ませんし、どんなにやりたくなってもやれません。

②依存仲間がいること

2つ目は依存仲間がいることですが、これは本人の周りに同じくギャンブルをやっている人がいることを指しています。喋ったことが無い人でも、SNS繋がりでも、自分が仲間と認識できる対象がいることで孤独感や罪悪感が薄れていきます。また仲間ですのでやめることは仲間から外れることになりますので、やめること自体に抵抗を感じる場合があります。

③本人がやめたいと思わない

3つ目は本人がやめたいと思うことが難しいことです。そもそもやめたいと思っていないと依存症からの脱出は困難になります。周りがどんなに手を尽くして依存対象から切り離したとしてもやめることはできず、それどころか犯罪行為に走ってしまう可能性もあります。

また自分ではやめたいと思っていても多くの場合は問題があるからやめたいと思うわけで、依存対象そのものをやめたいとは考えません。ギャンブルの問題はその多くが金銭問題ですので、問題を解決するため金銭が手に入ればよい、つまり勝てばやめる必要はないと考えてしまうなど根本的にギャンブルをやめたいとはあまり考えません。

【方針】ギャンブル衝動を減少させる5つの考え方

ここからは3つの要因が分かったところで、更にどういう方法でギャンブルをやめていくのかを解説していきます。

このサイトでは5つの方針(考え方)を軸にしていますのでそれをここから解説します。

5つの考え方は3つの要因の③本人がやめたいと思わないに対してやめたいと思うように正しい知識や経験を積むことでギャンブルをやりたいという“ギャンブル衝動”を減少させていくことを重点的に行います。

そしてギャンブル衝動を減少させながら①依存対象と②依存仲間に対しても徐々に対策していくので我慢が最小限ですむようになってきます。

5つの方針

5つの方針(考え方)を元に、対策を行っていきます。

  1. 自身の思考に対して学習させる
  2. 脳の思考に対して学習させる
  3. 脳のギャンブル衝動に対して学習させる
  4. 小さな快楽を育てる
  5. 環境を整える

5つの方針の効果を簡単に解説します。

脳には3つの役割がある

脳には3つの役割があります。

  1. 自身の意識的な“思考”【理性】
  2. 脳が行う無意識的な“思考”【感情】
  3. 無意識的な思考から連動するギャンブル衝動【生存本能】

ここで重要なのは2つでまず1つ目は力関係が存在するということ。

  • 弱い 【理性】<【感情】<【生存本能】 強い

次に2つ目は意識的に操作できる部分と、無意識的に自動で操作される部分があるということ。

私たち人間の脳が活動する割合は意識的な思考は10%無意識的な思考は90%を占めると様々な研究から分かっています。

そのため無意識的な思考から生まれる感情と生存本能は「自分の意思の力より遥かに強い」です。

意識的に行えることは簡単に言うと我慢するといった行動です。そして無意識的にギャンブル衝動が発生します。

ですのでただ我慢するだけでは私たちはギャンブル衝動に勝つことはとても困難となります。

3つの効果

ここで5つの方針になるのですが、詳細はここでは省きますが結果として脳の3つの役割全てに対してギャンブルをやりたいと思わなくなるようにしていき快楽欲求を減少させます。

  • 【自分】意識的“思考” ←快楽を求めている(減少)
  • 【脳】無意識的“思考” ←快楽を求めている(減少)
  • 【脳】ギャンブル衝動 ←快楽を求めている(減少)

1人でも可能

そしてこの活動は私や周囲の人にやり方を紹介した際に特にサポートなくやめることが出来ていましたので、1人でも実施可能な内容となっています。

ただ基本的にはサポートがあった方が良いので、可能な方はサポートしてもらうようにしてください。

このようにギャンブル衝動や衝動に繋がる快楽の思考を減少させたうえで、ギャンブルをやめていくので

我慢する頻度は圧倒的に少なくなります。

保全士:ひろのぶ

ギャンブル回路優先されている状態なので、ギャンブル回路を弱化させ、そのうえで他の回路を強化する必要があります。

この5つの方針については下記記事で詳しく解説していますので良ければご覧ください。

【サポート】専門機関に頼ってもいい

ギャンブル依存症から抜け出すことは1人でやらないといけない理由はなく、サポートを受ける方が効果的です。まずは一度誰かに相談してみるという選択肢も立派な“脱出ルート”です。

相談できる公的機関のリンク

以下は、厚生労働省が提供している依存症対策の公式ポータルサイトです。
全国の相談窓口・医療機関の情報も掲載されています。

厚生労働省 依存症対策ポータルサイト

  • 各都道府県の専門窓口や相談機関の一覧あり(外部リンク)
  • 匿名での相談も可能(自治体によって対応形式は異なります)
  • 家族の方も相談できます

【対策】9つのステップ

ここからは5つ考え方を軸にした、対策9ステップを解説します。

全体のSTEPは下記になります。

  • STEP1|まずは依存の状態に気付く
  • STEP2|依存の原因を知り、対策の知識を付ける
  • STEP3|自分の依存行動パターンを見える化
  • STEP4|依存に負けない環境を整える
  • STEP5|依存の代わりに小さな活動を始める
  • STEP6|ルールを決める
  • STEP7|新しい生活サイクルを徐々に始める
  • STEP8|完全にやめるチャレンジ
  • STEP9|再発(スリップ)

この記事はシリーズ全体の流れをまとめたガイド(道筋や計画表)になっています。

ここからは各ステップを一つ一つ順番に解説していきます。

【STEP1】まずは依存の状態に気付く

STEP1ではそもそも自分がどれくらい依存しているのか“自分自身の状態に気付く”ことが目的になっています。

たとえば

「また使ってしまった…」
「生活費が足りない…」
「誰にも言えない…」

このような自分の思いと行動や思考が違うという“違和感”に気付くこと。

依存は自分では「まだ大丈夫」と思いがちですが、他人から見たらすでに問題になっているかもしれません。

自分は問題を深刻に受け止めきれていない、そのことに気付くことがスタートです。

気付くのが遅いと…

そして気付かない結果「行くところまで行く」という方が多いです。(私もその一人でした)

たとえば

  • 借金をして返済の目途がつかない
  • 友人や家族からも見放されてしまった
  • 仕事に影響が出てもう来なくていいと言われた

このようにもう本当に限界だと“底付き”を経験しないと“気づかない”という場合があります。

「底付き」は、物事の底や限界に達することを指す表現


この記事を読んでくれている皆さんには私と違い、出来ればその前に気づいて欲しい。

だからこそSTEP1でまずは「気づくこと」が最初のステップになります。

保全士:ひろのぶ

機械では、故障や異常は日常点検時などの「違和感」によって発見されます。最初に音や振動に“気づけるか”どうかが、大切なポイントです。これに気づけないと設備の状態は徐々に悪化してしまいます。

助手:モンキー君

“底付き”は設備で言うと悪化して重大故障で強制停止、工場の生産が完全停止して機能しないお手上げの状態だよ!!

内容紹介

STEP0の内容紹介【クリックで展開】

このSTEPで得られること

  • なんとなく感じていた「違和感」を言語化できる
  • 自分の状態や傾向を客観的に把握できる
  • 脱出への第一歩として、気持ちが整理される

🛠 STEP0でやること(全体マップ)

ステップやること目的
0-1パチンコ・スロット脱出ガイド全体の道のりを知り、第一歩を踏み出す
0-2依存症かも?と思ったら自分を見直そう今の自分の状態を客観的にチェックする
0-3本当の目的は“刺激”や“快感”?なぜやってしまうのか「感情の動機」を探る
0-4本当の目的は“金銭”?お金のことが本音なのか、冷静に見直す
0-5パチンコ・スロットはやめるべき?続けるかどうか、選択の視点を整理する
0-6依存を放っておくとどうなる?放置した場合の未来を想像しておく
0-7ハマりやすい人の傾向と特徴自分が“なぜハマりやすかったのか”に気づく

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【STEP2】依存の原因を知り、対策の知識を付ける

STEP2ではなんでギャンブルをやめられないのか“正しい知識を学習する”ことが目的になっています。

たとえば

「自分は意志が弱いのかもしれない…」
「どうしていつもやめられないんだろう…」
「あの人が誘うから悪いんだ」

このような自分を責めてしまう、他人に責任を押し付けてしまうという“悪循環”を防ぎ、やめるために何をすればいいのかを知ること。

これを知らないとやめようやめようと思う、ギャンブルに行かない努力をして我慢を繰り返して失敗して、ストレスを溜めてまたギャンブルにのめり込むといった“悪循環”が止まらなくなります。

ギャンブル依存の原因

ギャンブル依存の原因は、甘えや意志の弱さの問題ではありません。
脳の“報酬系”や“快楽”の仕組み、
そしてギャンブルそのものの設計に秘密があります。

「脳の自動化× ギャンブルの構造」という“ハマりやすい仕組み”の中にいたことが原因です。

対策の知識

そして依存から抜け出す為に必要な知識である人間の行動原理について知ることで、無理なく徐々にギャンブルから抜け出すことができます。

STEP2では、依存の原因と対処方法を「科学と構造」で紐解き、

感情的な悪循環する後悔を「論理的な納得」に切り替えることを目指します。

保全士:ひろのぶ

機械では、制御装置が指示を出しても、センサーやブレーキが壊れていたら機械は正しい判断をしません。
依存も“理性が届かない状態”になっているだけなんです。

このSTEPで得られること

  • 「やめられない自分」への責めが、仕組みの理解に変わる
  • 感情的な後悔が、論理的な納得に変わる
  • 次の行動(STEP3)の意欲や前向きさにつながる

STEP2でやること(全体マップ)

ステップ内容目的
2-1依存の始まりは“報酬回路”ドーパミンによる「快感記憶」の仕組みを知る
2-2やめどきが分からない理由サンクコストや錯覚バイアスを理解する
2-3衝動が止まらない脳の状態前頭前野の機能低下と「ブレーキが効かない」理由
2-4習慣と自動思考が回路を作る繰り返しで強化される「依存のクセ」の正体
2-5脳が依存行動を強化する仕組み脳の学習とループ構造を知って対策へつなげる

ギャンブル依存の“見えない仕組み”

脳の報酬回路が快感を強く覚える

  • 当たりそうな期待感 → 快感物質「ドーパミン」分泌
  • 演出や音による五感刺激 → 快感記憶が強くなる

前頭前野が疲れて「ブレーキ」が利かなくなる

  • ストレス・疲労・眠気 → 衝動を制御できない状態に
  • 理性的な判断ができず「もう1回だけ」に流される

ギャンブルは「やめにくい構造」で設計されている

  • 出そうに見える演出
  • 波があるように錯覚させる設計
  • 損をしたくない心理(サンクコスト効果)を刺激

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【STEP3】自分の依存行動パターンを見える化

STEP3では自分自身の思考と行動パターンを把握して“行動パターンの見える化”をすることが目的になります。

たとえば

「気づいたら行きたくなっている」
「絶対やめると思った次の日には行きたい気持ちがある」
「今度こそやめると決意したけどやっぱりあらがえない」

──そんな経験、ありませんか?

依存行動の多くは、無意識のパターンとして繰り返されています。

STEP3では、自分の思考や行動を「記録」し、行動パターンの「見える化」をすることで自分の取り扱い説明書を作ることを目指します。

保全士:ひろのぶ

機械では、故障した設備の図面を見直す作業です。見える化していない状態は図面がない状態で設備を直すようなもの。
“ギャンブル回路の接点を洗い出す”ことが、整備のスタートラインになります。

このSTEPで得られること

  • ギャンブル衝動の原因や流れが見えてくる
  • 「またやってしまった」を止めるきっかけが持てる
  • ステップ(環境整備)へ向けて整理された思考状態を手に入れられる

STEP1でやること(全体マップ)

ステップやること目的
1-1まずやるべきことは“記録する”感情・行動の流れを整理し、客観的に見る
1-2ギャンブル衝動の“4つのトリガー”何が衝動を引き起こすのか、きっかけを知る
1-3依存行動の“スイッチ”を特定する思考→感情→行動の接続点を見極める
1-4脳内の“回路”を止めるには自動化された行動ルートを遮断する方法を学ぶ
1-5“やめる準備”の土台作り記録を通じて、次のステップへの準備を整える

どうして記録が必要なのか?

ギャンブルに行くまでの流れは、
「思考」→「感情」→「行動」 というプロセスで成り立っています。

でもこの流れは、繰り返されるうちに自動化(=クセ)され、意識する間もなく動き出してしまいます。

そこで記録をすることで、自分の中の“反応パターン”を外から観察できるようになります。

認知行動療法(CBT)では、依存行動の前にどんな思考や感情が起きているかを記録することが効果的と言われています。

たとえば、こんな記録を残す

  • 「今日はなぜ行きたくなったのか?」
  • 「どんなきっかけでスイッチが入った?」
  • 「そのときの気持ちは?」

紙でもスマホでもOKです。

これを記録することで、自分の思考や行動のパターンを見える化し、冷静に理解することができます。

保全士:ひろのぶ

機械には「安全柵で設備を囲う」、「緊急停止ボタン」など安全装置がついています。
依存にも“衝動を止める仕掛け”が必要です。

STEP1 関連記事まとめ

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【STEP4】依存に負けない環境を整える

STEP4ではSTEP3で把握した自分の行動パターンからギャンブルに繋がらないように“仕組みで回避する環境”にすることが目的になります。

STEP3でせっかく自分の取り扱い説明書を作っても活用しなければもったいないです。

自分は〇〇の時にギャンブルをやっていると分かったらそこで我慢する、ではなく「仕組み」で対処するのがこのステップになります。

まずはギャンブル行動を引き起こす環境そのものを整えること。ギャンブル行動パターンに入らないように「近寄らない仕組み」や「気付ける仕掛け」を生活に組み込みます。

また日常生活でギャンブル以外の「ストレス対策」も行っていきます。

ギャンブル以外のことでも総合的な身の回りの環境を整えることで我慢に頼らない仕組みを作ることができ、ギャンブルをやめるためには我慢に頼るより現実的です。

STEP4では、「見える化」した行動パターンを元にギャンブルをしなくても良い環境を整えることを目指します。

このSTEPで得られるもの

  • 衝動に流されない生活設計
  • 無意識に動く「自動回路の配線」を組み替える習慣
  • 「やめられた」と言える自分になるための“基盤”

STEP3で取り組むこと(全体マップ)

ステップやること目的
3-1行きたくならない環境を作るギャンブルに“物理的に近づけない”ようにする(物理遮断)
3-2心を整える(ストレス対策)衝動を生むストレスを減らす(ストレス対策)
3-3衝動を止める仕掛け突発的な衝動に「待て」の仕組みを入れる(ワンクッション)
3-4トリガーの排除と心の余裕ギャンブルへつながるきっかけを遮断する(深掘りと再設計)
3-5今やめるメリットを“見える化”行動のモチベーションを可視化する

たとえば、こんな対策から始めよう

  • スマホからギャンブル関連アプリを削除
  • お金を最小限だけ持ち歩く
  • パチンコ屋のある道を避けるように通勤ルートを変更
  • 「衝動が来たら10秒深呼吸する」と自分ルールを決める

なぜ環境整備が必要なのか?

人間の脳も機械と同じ。
誤作動を起こす条件を取り除けば、暴走を防げます。

ギャンブルに誘われやすい「条件」から物理的・感情的に距離を置くことで、依存行動の「起動ボタン」に触れない仕組みを作ることが可能です。

STEP3 関連記事一覧

記事ができ次第、以下に順次追加されます。今後の更新をお楽しみに!

【STEP5】依存の代わりに小さな活動を始める

STEP5ではギャンブルの代わりになる“小さな活動”をすることが目的になります。

たとえば

  • ギャンブルをやめたら絶対暇になる
  • ギャンブルをやらない生活が想像できない
  • やめたら何が面白いんだ?

──そんな思いはありませんか?

はっきり言ってギャンブル依存症の状態でギャンブルを超える楽しさを見付けることは困難となります。

これは様々な研究で分かっていることですが、脳がギャンブル以外に対して反応が悪くなっていることが原因になります。

それに対する対策として、やめるだけではなくギャンブルで空く「空白」に代わりにやること(代替行動)をあらかじめ生活に取り入れておくことが有効と私は考えます。

まずは習慣化を目指す

ではどうするかというとギャンブルの代わりになるような楽しさを得るためにも、小さな活動を通して楽しさに気付くことが重要です。

そしてこの楽しさに気付く前にギャンブルに戻ってしまう、そもそもギャンブルを止められない場合がほとんどです。

ですのでやめた後からギャンブルで空く「空白」を埋める活動をしていくのではなく、ギャンブルをやめる前から小さな活動をして、まずは習慣にすることが第一目標になります。

徐々に楽しさに気付く

そして楽しさに気付くためにはいくつかポイントがあるため、ポイントを押さえながら活動をすることで徐々に脳が変化し、楽しさに気付くようになっていきます。

この気付けるタイミングは人によるところが大きいのでギャンブルをやめる前から気付くのか、やめた後から気付くのかは分かりませんが、気付くためのスキルを学ぶことはできます

また、この楽しさに気付く流れは、実はギャンブルにハマった流れと基本的にまったく同じ流れとなります。

ただ違う点としてはギャンブルはラクして楽しいを得るという脳に悪影響を与える流れ。それに対してこの活動は努力して楽しいを得るという脳に良い影響を与える流れになります。

STEP5では、「空白」が出来てから代わりを探し始めるのではなく、楽しさに気付くためにも習慣にして継続すること、そして最終的にはこの活動がギャンブルを押しのけ、ギャンブルの場所を奪うほど育てることを目指します。

保全士:ひろのぶ

機械では、回路を書き換える際に新しい回路を入れます。依存行動は回路が大量にあるようなものですので、少しずつ新しい回路を書き込んでいきます。

詳細はここをクリック

🛠 STEP4で取り組むこと(全体マップ)

記事番号タイトル目的
STEP4-1【代替行動とは?】ギャンブルをやめるには“空白を埋める”必要がある代替行動の役割と、なぜ必要なのかを心理学・脳科学視点で解説
STEP4-2【自分専用の代替行動リストを作る】ギャンブル以外に没頭できることを見つけよう個別の興味・性格・ライフスタイルに合わせた代替案を具体提案
STEP4-3【代替行動を習慣にするコツ】最初は軽く、成功体験を積み上げる習慣化のためのスタート方法、ハードルの下げ方、小さな達成感を意識する方法
STEP4-4(任意)【失敗しないための考え方】代替行動がうまくいかない時のリカバリー法「飽きた」「めんどくさい」と感じたときの対処法、選び直しのコツ

STEP4-1【代替行動とは?】

  • なぜ代替行動が必要なのか?
  • ギャンブルに「使っていた時間とエネルギー」をどこかに向けないと、空白になって吸い込まれる。
  • 脳は「やることがない」と勝手に快感の記憶(ギャンブル)を呼び起こす。
  • → だから意識的に「新しい回路」を用意する必要がある。

STEP4-2【自分専用代替行動リスト作成】

  • まずは「好きそうなこと」「得意そうなこと」「前から興味あったこと」を棚卸し。
  • 代替行動の例:
    • 身体系:ウォーキング、筋トレ、ジム
    • 知識系:読書、資格勉強、スキルアップ
    • 感覚系:料理、カフェ巡り、旅行プラン作り
    • クリエイティブ系:ブログ、イラスト、音楽
  • →「やってみたい」レベルでいいのでリスト化する。

STEP4-3【代替行動を習慣にするコツ】

  • 最初からハードルを上げない
  • 「とりあえず5分だけ」「1駅分だけ歩く」でOK
  • 小さな成功体験を積む→「続けられる自分」を脳にインストールする
  • 続けられたら、小さなご褒美を用意する(カフェ、漫画1冊、など)

STEP4-4【失敗しないための考え方】(任意)

気分が変わったら新しいことにトライする。

飽きたら変えてOK。柔軟に乗り換えることが続けるコツ。

代替行動は「一生同じじゃなきゃダメ」じゃない。

STEP4 関連記事まとめ

【STEP6】依存衝動にルールを設ける

STEP6ではギャンブルをやりたいと思った時に“様々なルールを設ける”ことが目的になります。

様々なルールを付けることでギャンブル衝動を減少させる、ギャンブル衝動にブレーキを掛ける訓練になる、衝動を利用して“他の活動をうながす”など様々な効果があります。

たとえば

  • ギャンブルに行きたい、けど○○(別の行動)をやってから行こう

この段階ではまだギャンブルをやめません。

これがポイントで、あくまでも○○(別の行動)をやったらギャンブルをやっても良いというルールになります。

こうしてギャンブルをするための負荷を増やしたり、まずは○○(別の行動)をやるなど別のことに手をつける習慣を身に付けることが出来るようになります。さらにギャンブルをやりたいという気持ちを報酬にして別の行動をすることが出来るので意欲は高い状態になります。

STEP6では、その為にもまずはルールを設けて徐々に習慣にしていくことを目指します。

【STEP7】新しい生活サイクルを徐々に始める

STEP7では各ステップで準備したことを“生活サイクルに徐々に落とし込んでいく”ことが目的になります。

STEP2~6の「知識、見える化、環境、小さな活動、ルール」という新しい行動を繰り返すことで、脳の回路が少しずつ変わり、ギャンブルに対する欲求も減少します。

たとえば

  • 「今日はやりたいと思わなかった」
  • 「毎日散歩することが楽しみになった」
  • 「ギャンブルをしなくてもストレスが解消できる方法を見つけた」
  • 「気づけば月に数回しか行ってない」

しばらく続けることでこのように、「気づけばギャンブルに行かない日も平気」と少しずつ変化を感じられるようになります。

新しい行動やルールを習慣化して徐々に変化しそれを実感していくことが、依存から抜け出すためのポイントです。

STEP7では、その為に必要なこととして計画、行動、体験、評価を維持する新しい生活サイクルを目指します。

保全士:ひろのぶ

機械では新しい動作に問題が無いことを、何度も試して修正します。人も同じで何度もサイクルを繰り替えすことで脳が問題が無いことを学習していきます。

STEP5 関連記事まとめ

【STEP8】完全にやめるチャレンジ

STEP8では実際に“ギャンブルから完全に離れる”ことが目的になります。

ギャンブル依存症は結局のところギャンブルから離れないと回復しません。

ここまでのSTEPは別の回路を作ることでギャンブル衝動を減少させることが目的でした。STEP7を続けて月に2回しか行かないくらいにギャンブル衝動が減少しているくらいが理想になります。

なぜ今「完全にやめるチャレンジ」をするのか?

  • 代替行動もでき新しい生活サイクルが出来た今がベストタイミング
  • ここでゼロにできれば、本当に自由になれる

チャレンジのやり方

  • まずは「一週間だけゼロチャレンジ」
  • 小さく成功体験を積む
  • 無茶な我慢はしない
  • 失敗しても「再チャレンジが前提」

チャレンジを支える物理ストッパー

  • 財布にお金を最小限しか入れない
  • ATMカードを封印する
  • ルートを完全にギャンブル店から外す
  • 暇時間を事前に予定で埋める
  • スマホ制限(スクリーンタイム、ブロックアプリ)を使う

STEP8では、今までのSTEPで行ったことを維持継続しながら、さらにギャンブル衝動に対する対策を増やし、衝動に負けない経験を積むことを目指します。

保全士:ひろのぶ

機械の本質は「絶対に壊れない設計」ではなく、「生産を維持継続していくこと」です。つまり故障は防ぐ方が良いが、その為にガチガチに対策して生活に支障が出たら本末転倒ということ。状況を見ながらあなたにあったチャレンジをしていきましょう!

【STEP9】スリップしない心構え

STEP9では“スリップしない、しても立ち直れる準備をする”ことが目的になります。

スリップは再発、再燃など言われるギャンブルをやめて数か月後にまた何かがきっかけでギャンブルをしてしまうことを言います。

スリップは1回でもギャンブル衝動が復活してしまうため、スリップしないようにする心構えや対策が重要です。

また、もしスリップしてしまった場合でも、それが最終的な終わりではありません。「スリップしてもすぐに立ち直れる仕組み」を整えておくことも必要です。

対策は心構えと生活サイクルを回すこと

ただこのサイトでは他のSTEPでスリップの可能性を大きく下げる活動をしています。

そのためSTEP9では心構えや今までのSTEPでおこなった対策を維持継続すること、そしてスリップしてしまった場合は反省点を活かしてまたやろうと進む気持ちの整理といった内容になります。

  • 失敗したときに自分の気持ちを記録
  • 「なぜギャンブルをしたのか」を振り返り
  • 次にどうすれば良かったかを考えること

また、他にも誰かに話すことで気持ちを整理するなどし、再発防止のための対策を立てていきましょう。

STEP9関連記事まとめ

次回(STEP0-2)

次はあなたがギャンブルにどう関わっているのかを整理するためのヒントを解説します。ギャンブルに生活を支配されつつあるかもしれないなど、参考にしてください。

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関連リンク

このサイトが大切にしていること

「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の仕組み”が乱れていただけだったんだと気づきました。

このサイト「脱出思考」では、機械保全士として培った現実重視の“視点”をベースに、脳科学や心理学の知識、そして私自身の体験をもとに、思考や感情を“仕組み”として捉えるヒントをお届けしています。

よければ他の記事も覗いてみてくださいね。

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

参考・出典

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