【原因を知る】パチンコ・スロット依存は脳とギャンブルの仕組み(STEP2まとめ)

STEP2の振り返り

STEP2では、ギャンブル依存症における脳の仕組みと、その行動がどのように形成され、強化されていくのかを解説してきました。

今回はその内容を振り返り、依存行動がどのように自動化されるのかを整理します。

この記事では、これまでの情報を一度整理し直し、次の段階(STEP3)に向けて理解を深めるためのSTEP2まとめ記事になります。

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

STEP確認

この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP2-5」です。
シリーズの他の「STEP 2」記事もあわせて参考にしてみてください。

シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。

目次

STEP2-1:【脳が快感を記憶する仕組み】

目的:依存の出発点=報酬記憶の仕組みを理解する

  • ドーパミンが脳の報酬回路を刺激し、ギャンブルによる快感が記憶として強化されます。
  • 「勝った記憶」が強く残り、脳はその感覚を再び味わいたいと無意識的に行動を促します。
  • これが、ギャンブルに行きたくなる根本的な理由の一つです。

STEP2-2:【“もう一回だけ”が止まらない理由】

目的:錯覚が行動を継続させる脳とギャンブルの仕組みを知る

  • 損失回避「利益より損失が痛い」とサンクコスト効果「取り返したい心理」が、依存行動を加速させます。
  • 快感学習「小さな当たりも強く記憶」と認知バイアス「今日は引きが強い」が、依存行動を加速させます。
  • 演出や確率が、勝てる感覚を持続させ、勝てる気がする錯覚を引き起こします。
  • これが、「負けても続けてしまう」原因となり、脳はその認知バイアスに従い、行動を繰り返すのです。

STEP2-3:【理性が効かない?】前頭前野の疲労と変化

目的:意思の問題ではなく、脳の機能で理性が低下する

  • 前頭前野は、衝動を理性で制御する役割(ブレーキ)を担っている
  • ストレスや疲労が積み重なると、その前頭前野の制御力が低下します。
  • ギャンブル依存の人は前頭前野の活動が低下している(研究結果あり)
  • 判断はできていても止まらないという現象は、この前頭前野の疲労や変化が原因の一つです。

STEP2-4:【習慣化と自動思考で回路が強化される】

目的:習慣化と自動思考で依存回路が強化される仕組みを理解する

  • 自動思考により日常の中のちょっとした“きっかけ”で、ギャンブルの“快感”記憶が呼び出されます。
  • 繰り返しの行動が脳内ネットワークを強化し、習慣化される
  • 自動思考と習慣化により自動化される仕組みです。
  • 自動化されて何度も繰り返すことで、脳の自動運転モード“依存の回路”が出来上がる。
  • 無意識 vs 意識のエネルギーは無意識が優勢、意識的な努力ではその行動を止めるのが難しくなります。

まとめ:自動化された依存回路を修正するために

ポイント
  • ドーパミンが快感の記憶を強化し、自動思考が生まれる
  • 演出と確率が脳を錯覚させ、行動を反復させる
  • 前頭前野の疲労や変化が理性による判断力を低下させ、衝動を抑えられなくなる
  • 習慣化と自動思考が脳内回路を強化し、依存行動が自動化される

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

次回(STEP3-1)

次は「パチンコ・スロットに行きたくならない環境を作る」を解説します。

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参考・出典

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