【依存回路“物理的トリガー排除”】パチンコ・スロットに行きたくなる環境を変える対策22選

行きたくなってしまうのは、「トリガー」が多すぎるのかも

「もうやめたい」「行かないと決めたのに、気づいたら足が向いている」──
そんな経験、ありませんか?

でもそれは、あなたの意志が弱いからではありません。
脳が“いつもの刺激”に反応して、自動でスイッチが入る構造になっているだけなんです。

ギャンブル依存は「衝動」だけで起こるのではなく、
外からの物理的刺激(=トリガー)によって
脳の“回路”が作動しやすい環境にいることが、大きな原因の一つになっていると考えられます。

依存行動は“意志”ではなく“習慣と環境”に支配されていることが多いと言えるでしょう。

この記事では、ギャンブルに「行きたくなる環境」を「行きたくならない環境」に変える為に物理的トリガーに焦点を絞って解説します。

この記事で分かること
  • 行きたくならない環境を作る方法(物理的トリガー対策)
  • 具体的にやるべき対策リスト

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

STEP確認

この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP3-1」です。
シリーズの他の「STEP 3」記事もあわせて参考にしてみてください。

シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。

目次

「行けない仕組み」ではなく「行きたくならない構造」を作る

従来のギャンブル対策としてよく聞く、お金を持ち歩かない、夕方まで寝て過ごすといった
行けない仕組み(行動の遮断)」も有効ですが、その場合は衝動は起きた後、つまり我慢が必要となります。
今回のステップでは、その一歩手前=“スイッチを切る仕組み”に注目します。

ポイントは、「トリガーを引かせない」こと。
つまり、脳のスイッチが入りそうな視覚・音・ルート・物品あらかじめ排除・回避・遮断することで、“そもそも衝動が起きにくい状態”を作ります。

行きたくなる前に「遮断する」具体策

● スマホ・ネットからのトリガーを遮断

  • ギャンブル関連アプリ・ブックマークを削除
  • YouTube・SNSの履歴やおすすめ動画を一掃
  • ブラウザに広告ブロックを設定(「ギャンブル」ワードを非表示に)

● 通勤・生活ルートを変える

  • パチンコ屋の前を通る道をGoogleマップで除外
  • コンビニやATMなど「引き金になりやすい場所」をルートから外す
  • 特定の駅・時間帯など“流れで行きがちなパターン”を見直す

● お金の使い方に“物理的ストッパー”をつける

  • 財布に入れる金額を制限(例:毎日2,000円以下)
  • 給料日は“自動分配”してすぐに他口座 or 封筒管理へ
  • 現金主義から、プリペイド式ICやQR決済へ移行(ATMとの接触を減らす)

● 視覚・感覚トリガーを物理的に消す

  • ギャンブルの記録ノート・戦歴表は視界に入らない場所へ封印
  • スマホケース・財布など“依存期に使っていた物”は新しい物に変更
  • テレビや動画で“勝負系シーン”が流れたら、すぐチャンネルを変える
保全士:ひろのぶ

危険な機械は「近づけないようにする」のが基本。
人間も同じです。
その一歩目として“危険に近寄る理由が無い”環境にしておくことが、最大の安全装置です。

【物理的刺激】のトリガーを“引かせない”対策22選

STEP1で気づいた“トリガー”とつながっている

覚えていますか?
STEP1-2|依存衝動の4つのトリガーで紹介したチェックリスト。

その中にあった【物理的刺激】の項目、実は今回のステップと完全に連動しています。

自分のトリガーを見える化した上で、それを遮断するのが、このステップのポイントですので、すでにチェックリストを実行済みの方は下記一覧を対策参考にしてください。

まだ自分のトリガーを見える化していない場合はぜひ一度チェックリストをやってみてください。

対策集

トリガートリガーを引かせない工夫(予防・遮断)
ギャンブル施設の前を通ると気になる通勤・移動ルートを変更:Google Mapなどで通らない経路を登録・習慣化する
「通ったら負け」と名付けたルールを作る(ゲーム感覚)
昔勝った機種の名前や音、ホールの匂いを思い出す「連想させる音・映像・場所」を避ける環境作り(例:動画サイトの履歴を削除、ホール近辺を通らない)
特定の香り(アロマなど)を使って脳に新しい記憶を結びつける
過去の大勝ちがフラッシュバックするトリガーを呼び起こすきっかけ(写真・記録など)を視界から排除
スマホのアルバム整理:ギャンブル関連の写真を削除・非表示化
スマホやSNSでギャンブル広告が出てくるアプリの通知・広告表示をオフ、ブラウザの広告ブロックを導入
「興味なし」とフィードバックしてアルゴリズムの調整を繰り返す
ATMでお金を下ろすと衝動が起きる現金ではなくキャッシュレス決済に切り替える
ATMでまとまった額を引き出さない(少額+目的別に封筒管理)
ギャンブルに使っていたノート・戦歴表など物理的に封印:段ボールに入れてガムテープで封じる、捨てる
視界に入る場所に絶対置かないルール化
ギャンブル系アプリ・サイトがスマホにあるアンインストール&アプリストア制限設定(ペアレンタルロック)
起動に2段階認証などワンステップ余分な壁を作る
コンビニ・駅の「当たる」系広告に引っ張られる行くコンビニを変更・限定する(目に入る広告の種類が変わる)
「くじを見ない、近寄らない」を事前に自分と約束しておく
ギャンブルに使っていた財布やスマホケース物品の買い替え:新しい「再スタート専用グッズ」に切り替える
旧グッズは使用不可ゾーンへ(別の場所に収納)
ギャンブルシーンのある番組・アニメTV・YouTubeの視聴履歴を一掃して“関連動画”を出させない
レコメンド(オススメ)される媒体は登録解除 or 自動再生オフ
深夜の静かな部屋でスマホを見てしまうスマホを別の部屋に置いて寝る/寝室でのスマホ禁止
夜用の照明を「快眠モード」にし、環境そのものを“癒し回路”へ変更
保全士:ひろのぶ

安全装置は点検項目に沿ってメンテナンスを行ってその機能を十分に果たす必要があります。何をするべきかのリストはその為に必要不可欠。

補足説明

💡感情や人との関係、日常のタイミングなど間接的な要素がトリガーになっている場合は、
STEP3-4|トリガーの排除と心の余裕 で詳しく解説しています。

🔚 まとめ:スイッチを入れさせない仕組みが、最も現実的な防御になる

ポイント

  • ギャンブルにハマるのは、「引き金」がそばにあるから
  • 「我慢」より「遮断」──これが長続きする対策の基本
  • 自分のトリガーを特定し、それが作動しない環境を整えよう

このSTEPで得られること

  • そもそも衝動が起きにくくなるので、我慢する必要が減る
  • 意志に頼らない「自動的な防止回路」が働く
  • やめるための最初のハードルを大幅に下げられる

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

次回(STEP3-2)

次は、「環境」だけでなく「心のストレス」も整えていきます。その仕組みを解説します。

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参考・出典

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