パチンコ・スロットをやめたいのに「どうしても行きたくなる」
「もうやめよう」と思っていたのに──
ふとした瞬間に、どうしても行きたくなることありませんか?
「ジャグラーで3,000枚出た日」
「一発逆転したあの快感」
「隣の人がやめた台で大連チャンしたときの興奮」
こんな一瞬で蘇る“いい思い出”がまた行きたくさせる──
そんな経験は、脳の仕組みと関係しています。
この記事では、ギャンブルをやめたいのにやめられない理由である、脳の報酬回路(ドーパミン)と“快感への期待感”の仕組みを解説します。
無意識のうちに行動へとつながってしまう流れを知ることで、「自分が弱いわけじゃなかった」と納得でき、知識を得ることはやめる為の大切な活動の一つになります。
- ギャンブルにハマってしまう流れと原因
- ギャンブルがハマりやすい理由
STEP確認
この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP2-1」です。
シリーズの他の「STEP 2」記事もあわせて参考にしてみてください。
- STEP 2-1【ドーパミンとハマる仕組み】 ←今ココ
- STEP 2-2【やめどきが分からない】
- STEP 2-3【ブレーキが効かない】
- STEP 2-4【依存はどう強化される?】
- STEP 2-5【原因を知る】(STEP2まとめ)
シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。
【結論】やめられないのは“期待”してしまうから
ギャンブル依存の最初の一歩は、脳の報酬回路(ドーパミン系)が「快感」を強く学習してしまうことです。
たとえば
「楽しかった」
「気持ちよかった」
「ストレス発散になった」
このような“快感報酬”の体験をすることで、ギャンブルは快楽が味わえると脳が学習します。
そして次の段階として脳が学習した結果、脳が無意識に“期待”するようになります。
ここで私が一番に伝えたいことは「あなたが]ではなく「脳が」というところになります。
自分の意志と、脳が無意識に行うことは全くの別物ということです。
そして脳が何かをきっかけに期待した結果、脳が無意識にギャンブルをするように指令を出します。
この瞬間に“スイッチが入り”私たちは無意識にやりたい気持ちになって、行ったら駄目だと思ってようが気持ちは行きたくて仕方がない状態になり、行ってしまうのです。
そして長期的なギャンブルの習慣によって、脳の報酬回路がさらに変化し依存症になっていきます。
これが「やめたいのに行ってしまう」依存の流れです。
このドーパミンについて知ることはギャンブル依存症の脱出に必要不可欠とも言えますし、私生活や職場でも役立つ知識ですのでどんどん知っていきましょう!
【なぜ】この知識の必要性
ギャンブル依存症は薬や病院に行くだけで治るものではないと言われています。
その理由が結局のところ“本人がやめたいと思わないとやめにくい”からになります。
そのため依存症の治療では認知行動療法と呼ばれる治療が有効とされています。
今回の記事ではこの認知行動療法の一つとして私が実際にためになったと感じ、ギャンブルに対する思いが変わった知識をみなさんにも知ってもらうことを目的としています。
【回路①】脳の報酬回路とは?|ドーパミンと“学習”
まずドーパミンについて解説していきます。
ドーパミンの役割
ドーパミンは脳の神経伝達物質で、「快感や多幸感を得る」、「意欲を作ったり感じたりする」、「運動調節に関連する」といった機能を担う脳内ホルモンのひとつです。
ドーパミンの分泌タイミング①「快感を得た時」
私たちの脳には「報酬系」と呼ばれる脳の生存本能である仕組みがあります。
これは、美味しいもの食べたとき、何かを達成したとき・感謝されたときなどに働く回路でこの時、報酬系に刺激を受け、人は満足感を得ます。
たとえば
- 美味しいものを食べたとき →おいしい!
- 好きな音楽を聴いたとき →素晴らしい!
- スポーツで達成感を得たとき →やったぁ!
このような場面でドーパミンが多量に分泌されています。
脳が学習していく①直接的な学習
そしてこの刺激をもう一度得たいと脳が思い、行動する意欲が湧いてきます。
たとえば
- 過去に美味しいものを食べた →また食べたい
- 過去に好きな音楽を聴いた →また聞きたい
- 過去にスポーツで達成感を得た →またやりたい
「これは良いことだから、またやろう」と脳が学習していきます。
これを強化学習と呼び、やればやるほど脳は学習をしていきます。
ドーパミンは報酬を取るエネルギーの起爆剤
ドーパミンは、脳にとっての「報酬を取るエネルギーを引き出す」役割があります。上記で言う意欲です。
うまい、すごい、楽しいといった刺激や快感が報酬となります。
たとえば
- 楽しいことに夢中になって、お昼ご飯を食べ損ねていた
- 映画を集中して見ていて、飲み物に手をつけていなかった
- 仕事で難しくて全力で取り組んでたら夕方になっていた
このような経験があるかもしれませんが、この時ドーパミンが多量分泌してエネルギーを生み出す起爆剤になり、狙った報酬をひたすら取ることに集中できるようにエネルギーを出させてくれています。
脳が学習していく②関節的な学習
上記学習では「美味しいもの=また食べたい」と分かりやすく繋がっていましたが、脳は間接的にも学習していきます。
たとえば
- 勉強をやった →ご褒美にケーキを食べた
- ケーキを食べた →おいしい! →また食べたい
- 勉強をやると…? →おいしい!という快感が味わえる…!?
このような流れで本来であれば勉強とケーキは関係ないことなのにも関わらず、勉強をやる=おいしい!快感が味わえる、と間接的に脳が学習していきます。
ギャンブルはこの間接的に学習をすることで大当たりと金銭報酬を結びつけます。
ドーパミンの分泌タイミング②「期待した時」
ドーパミンは“報酬が貰えるかもしれない”と予想した時にも分泌されることが分かっています。
たとえば上記の勉強とケーキの流れでいうと
- 勉強をやると…? (期待した瞬間)→ドーパミン分泌
このような流れで勉強をやる=ケーキ食べれるかも、と脳が学習して「期待」したタイミングでドーパミンが多量分泌されます。
ギャンブルは大当たりになるかもと期待をすることでドーパミンが多量分泌されます。
実は報酬が目的ではない
「期待感」自体がドーパミンを分泌しているので実は実際の報酬は無くても反応します。
逆にもらえて当たり前と考えているものに対してはあまり反応しません。
たとえば
- 勉強後は毎回ケーキを食べている
この場合は習慣になってしまい、ケーキを食べることが当たり前、つまりケーキを貰えるかも?という期待感がなく確定している状態です。
ケーキが目的であれば本来毎回確定している方が良いのでしょうが、ドーパミンは期待することで「エサを取るエネルギーを引き出す」ことが役目です。
エサが確定している状況ではその必要がないため、脳は無駄なエネルギー消費をしない、つまりドーパミンを大量分泌はしません。
その為、ドーパミンは「報酬の予測誤差を表現する物質」とも呼ばれています。

これは有名な実験でサルを使った報酬予測があるよ!僕の仲間たちはランプが付く=エサが貰えると脳に学習していったんだ!
報酬に魅力を感じなくなっていく
そして安定して手に入るエサ(ケーキ)で美味しいと感じさせる必要が無くなってきます。
元々刺激や快楽というのは生存本能として、餓死しない、繁栄を絶やさないなど生きる為のものです。
そのため「美味しいからエサ取れよ」と学習することで生存率を上げていました。
ですが安定して手に入るならもうその最初の役目は終えたと言えますのでだんだんと快感を感じなくなっていきます。



簡単に言うと飽きた状態ですね。
ドーパミンの大量分泌①
飽きた時、次にどんな行動をするのかですがドーパミンは刺激や快感などエサがあれば大量に分泌されます。
有効なのは
- 好きな食べ物
- 新しい取り組み
- 運動
- 笑い
好きなものでも毎日食べれば飽きるもの、基本的には新しい未知の刺激がエサになります。
ですので上記で飽きた場合はどんどん刺激を求めていく傾向が強くなっていきます。
ドーパミンの大量分泌②
ドーパミンは快感、予感、予期しない報酬があるとドーパミンが分泌され、この時エンドルフィン(正式にはβ-エンドルフィン)と呼ばれるホルモンが分泌される時があります。
このエンドルフィンが一緒に分泌されると、その影響でドーパミンの分泌が通常の10~20倍になるとも言われています。
たとえば
- ランナーズハイの状態
- すごく集中できている状態
この時、私たちの脳ではエンドルフィンが分泌され、その影響でドーパミンが大量分泌、ストレスもなく楽しい状態になります。
普段の生活では運動や笑うことでこのエンドルフィンが分泌されることが分かっている為、こうした活動が私たちにストレスを感じなくさせて活力をもたらします。
ストレスを低減するドーパミン
私たち人間はストレスを感じるとコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されるのですが、快感を得ている時には分泌されません。
そして快感を得ている時というのは主にドーパミンが分泌されている時になります。
ですのでストレスを感じたくない時、ドーパミンを分泌させることが出来ればストレスを軽減できます。
脳はそのことを学習しているため、ストレスを感じるとドーパミンを分泌できることを欲するようになります。
ドーパミンの分泌タイミング③「動く時」
これは補足説明ですが、ドーパミンは特定のタイミングで「多量分泌」されますが、少量分泌は様々な場面でされていると言われています。
たとえば
- 体を動かす
- 手を動かす
こういった私たちの行動全てにドーパミンが分泌されて関わっていると言われており、あくまで分泌の量が変化しているだけと考えてください。
【補足】役立つ知識
ここまであえてギャンブルではなく、一般的な物事をたとえとして解説をしてきました。
それはこのドーパミンが私たちの生活に深く関係しており、ギャンブル依存症だから重要というわけではないことを知ってもらいたかったからになります。
ギャンブル依存症から抜け出すためだけに学んでいる、それだけではもったいないです。
たとえばこの知識を応用することでダイエットに繋げることや教育、自分の習慣を変えることなど様々なことが可能となります。
そんな今後の生活にも役立つ知識ばかりでギャンブルをやめることに以外に使えないといったことはなく無駄ではないので、良い機会だと思って知っていってもらえればと思います。
ギャンブル依存とドーパミン
ここからはドーパミンがギャンブル依存症とどのようにつながっていくのかを解説していきます。
ドーパミンの分泌タイミング①「快感を得た時」
ギャンブル依存の始まりはまだ「娯楽のひとつ」としてパチンコを楽しんでいます。きっかけは友人の誘いだったり、暇つぶしだったり。
この時に報酬系に刺激を受け、人は満足感を得て、ドーパミンが多量分泌されます。
たとえば
- 大当たりの音と映像などが刺激的
- 純粋に演出や当たったという喜びが快感
- 新しいギャンブルという環境でドキドキした
- 現金化されることで簡単に大金が手にはいった「すごい!」
最初は「趣味の範囲」で済んでいますが、このような場面でドーパミンが多量に分泌されています。
ギャンブルを学習していく①直接的な学習
パチンコ・スロットの“当たりなど”も報酬として脳は直接的に学習していきます。
たとえば
- 大当たりの音と映像などが刺激的 →またやりたい
- 純粋に演出や当たったという喜びが快感 →また楽しみたい
- 新しいギャンブルという環境でドキドキした →またドキドキしたい
- 現金化されることで簡単に大金が手にはいった「すごい!」 →また味わいたい
「これは良いことだから、またやろう」と脳が学習していきます。



機械も“OK設定”は記録され良品として物が作られます。脳も“快感”をOKと覚えてしまう。だから何度も再現しようするようになります。
ギャンブルを学習していく②関節的な学習
次に脳は間接的にも学習していきます。
たとえば
- 大当たりした →報酬でお金をもらった
- お金をもらった →「すごい!」 →また味わいたい
- 大当たりすると…? →また「すごい」という快感が味わえる…!?
このような流れで大当たり=また「すごい!」という快感が味わえる、と間接的に脳が学習していきます。
期待してしまう
ドーパミンは“報酬が貰えるかもしれない”と予想した時にも分泌されます。
ギャンブルでは“当たるかも”、“行ったら勝てるかも”と期待した瞬間から出始めます。
たとえば遊戯中では
- 激アツ演出
- チャンスゾーン
- リーチ中のドキドキ
このタイミングでドーパミンが多量分泌されるようになります。
ほかにもギャンブルをしていない時でも
- チラシを見る
- お店の前を通る
- 友人から話を聞く
このようなタイミングでも“スイッチが入り”、ドーパミンが多量分泌されるようになります。
これらすべてはあなたがというより、脳が「期待」したタイミングになりますので制御ができません。
【依存性①】問題は「快感の強さ」
ここからはなぜギャンブルが依存性が高いのかを解説していきます。
ギャンブルが特に厄介なのは、報酬の刺激がとても強く、記憶に焼きついてしまうという点です。
上記の「リーチなど演出」で期待感が高まり、ドキドキしながら待ち、最後はド派手な演出で“当たり確定”の瞬間、
ドーパミンの分泌量は大量になります。
- 音や光など強烈な刺激
- フラッシュ、音、演出=五感すべてを使った快感設計
- 脳が予測しづらいランダム報酬(=演出の大当たり確率の変動)
- たまに来る大当たりが「飽きさせない」
これらによって、記憶に強く焼きつく“快感体験”を作り出すように設計されています。



設備で言えばめちゃくちゃ投資した重要設備みたいなもので“強烈な刺激”って、機械にも脳にも印象を残しやすいんですよね。
【依存性②】一番の原因!大逆転劇は記憶に残りやすい
ギャンブル衝動は“嫌な気分を回避したい”というストレスも深く関係しており、
“一度強いストレスを感じて、そのストレスから解放されることで最大化”されています。
たとえば
- 「5万円パチンコにつぎ込んで、やっと大当たりを引けた!!」
- 「スロットで1000Gハマって単発。イライラMAXの時に突然のフリーズ演出!!」
このような場合では、単純な「やったー!」という気持ちだけではなく、「あっぶねー!」「助かった~」など安心感や解放感も含む総合的な快楽が発生しており、快楽は最大化されています。
この時、エンドルフィンと呼ばれるホルモンが分泌されています。このエンドルフィンは鎮痛効果をもち,安堵感を与えてくれる物質で、痛みやストレスを軽減し、多幸感をもたらし、さらにドーパミン分泌をうながします。
さらにエンドルフィン分泌時のドーパミン分泌は通常の10~20倍をうながすとも言われています。
その為ギャンブル以外でも日頃から欲求不満の人はこの時、自分の社会的存在価値を確認したかのように錯覚できるとも言われています。
つまり上記のようなストレスを持った状態から、大当たりすることで普通に大当たりをするよりも
“大量のドーパミンが分泌”され、人をハマらせていくと考えられています。



大逆転劇が記憶に残りやすいのはこういった理由があるんだな!



機械の故障も直している時は早くしないと!と、ストレスですが、直った時には「やった!」と感じます。仕事が楽しく感じる状況の一つで、これがハマるとワーカーホリックと呼ばれる状態になるとも言われており非常に強力だと言えます。
【依存性③】ギャンブル依存が進むと
ギャンブル依存症で問題視されているのが、ギャンブルに対する「期待感」を得た時、ドーパミンが大量に分泌されることで脳が変化してしまうことが様々な研究で分かっています。
その結果、脳の優先順位としてドーパミンの分泌量が多いギャンブルが上位になり、他の活動ではドーパミンの分泌量がギャンブルと比較して少なく、刺激を感じにくい、物足りない状態になってしまうということになります。
【依存性④】ギャンブルはラクに手に入る報酬
ドーパミンは報酬を期待して行動を促す効果があります。
そしてそれは普段私たちが行っている食事でたとえると
飲食店に行って、お金を払って、食事をするという、労働で得た金銭という対価を払って美味しい物という報酬を受け取る仕組み、つまり労働に見合った報酬を受け取るこんな当たり前の流れになります。
ですがギャンブルはこの当たり前を壊してくる仕組みになっているのです。
人は快楽を求め、苦痛を避ける生き物
私たちの脳は本能的に「快感を求め、苦痛を避ける」ようにできています。
これは生存本能の一つで苦痛といった不快な状態というのは脳にとって恐怖や不安がある状態です。
そこで力を発揮するのがドーパミンになり、空腹を満たす、美味しいものを食べる、人とつながる。そうした快感をエサにして頑張るわけです。
その一方で、痛みやストレス、不快な出来事からはできるだけ離れようとします。これは「危険から身を守る」ための防衛反応とも言えます。
ギャンブルは、この本能の“スキマ”を突いてきます。
ギャンブルは苦痛なく手に入る快楽
ギャンブルではお金を失うリスクはあるものの、直接的には「生命の危機」につながるわけではない。
そしてギャンブルで勝つと“対価を払わずに報酬を貰う”ことが出来てしまうということになります。
これは今まで人間の当たり前であった労働に見合った報酬を受け取るという流れではなく、なんの苦痛もなくお手軽に手に入る快楽ということになります。
脳はさぼり癖がある
脳は基本的に生存本能としてエネルギー消費を抑える性質があります。だからエサが手の届く範囲にあればわざわざエネルギー消費の激しいドーパミンの分泌はせず、そのエサに手を伸ばすだけの行動をとります。
人は無料やサービスに弱い
ギャンブル以外でも私たち人間は可能な限り労働以上の報酬を受け取ろうとしています。
たとえば
- 飲食店で大盛無料
- ドリンク2杯目無料
- 接客態度が良いお店
- ポイントを溜めると1回無料
- 無料動画
このような無料やサービスを求めやすい傾向があります。
即効性のある報酬に弱い
出来るだけ対価を払わずに報酬を貰うことを脳は望んでいますので、遠くの報酬ではなく近くの報酬に反応しやすい傾向があります。
たとえば
- ゲームの手軽な報酬(レベルアップ、新アイテム)
- 5分で手続き完了してお金を借りられる
- 5年後の100万より目先の5万を選ぶ
報酬系であるドーパミンは生存本能につながる行動をうながしますので、「今生きることが大事」と思いやすくなってしまいます。
ギャンブルは手軽で最大の快楽
ギャンブルは生存本能のブレーキが効きづらく、気軽に始められるうえに、“快感とほどよいリスク”だけに意識が集中してしまいやすいです。
そして得られる報酬は、頭の良い人達が徹底的に設計・演出して“最大化”された刺激という快感。無防備な脳にとっては強烈な報酬となり、依存性も非常に高いと言えます。



安全装置って“痛み”があってこそ作動するけど、ギャンブルはそれがない。だから暴走しっぱなしになり、安全装置が作動して気付いた時にはすでに故障している可能性があります。
【補足】ギャンブル以外にハマりやすいもの
依存傾向が強いドーパミンの反応
私たちは日常生活の中でも、さまざまな場面でドーパミンに反応して行動しています。
- SNSの通知を無意識に開く
- スマホゲームのガチャをつい回してしまう
- コンビニで新作スイーツに手が伸びる
こうした行動も、「もしかしたら良いことがあるかも?」という“期待”によってドーパミンが分泌され、私たちの行動を自然に誘導しているのです。
【まとめ】快楽報酬こそが「始まりのスイッチ」
快楽を求めるのは人の仕組みです。
- ギャンブルを思い出す
- やりたくて気持ちが高ぶる
- 止められても止められない
この流れはあなたが弱いからではなく、脳がそう学習してしまっているからです。
ですが今回の記事のように、知識を得ることであなたと脳は新たに脱出の道を学習していることになります。
こうした知識や経験が依存症を回復させるためには大切ですのでどんどん学んでいきましょう!
- 脳は快感(ドーパミン)を強く記憶する
- ドーパミンは“報酬が貰えるかもしれない”と予想した時にも分泌される
- ギャンブルは痛みがなく、気軽に始められる“快感”として設計されている
次回(STEP2-2)
次は「負けているのにやめられない」その仕組みを解説します。
関連記事
- STEP 2-1【ドーパミンとハマる仕組み】 ←今ココ
- STEP 2-2【やめどきが分からない】
- STEP 2-3【ブレーキが効かない】
- STEP 2-4【依存はどう強化される?】
- STEP 2-5【原因を知る】(STEP2まとめ)
シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。
このサイトが大切にしていること
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参考・出典
- 厚生労働省,ギャンブル依存症の理解と相談支援の視点,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633402.pdf - 厚生労働省,依存症対策,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html - 楠奥繁則. (2004). 職場におけるストレス・マネジメントの探究. 立命館経営学, 42(6), 115-133.
https://ritsumei.repo.nii.ac.jp/record/694/files/be42_6kusuoku.pdf - 枝川義邦, & 渡邉丈夫. (2010). 行動・学習・疾患の神経基盤とドパミンの役割 (Doctoral dissertation, Waseda University).
https://waseda.repo.nii.ac.jp/record/27235/files/KotoKenkyujoKiyo_2_Edagawa.pdf - 筒井健一郎, & 渡邊正孝. (2008). 報酬の脳内表現. 生理心理学と精神生理学, 26(1), 5-16.
https://doi.org/10.5674/jjppp1983.26.5