【パチンコ・スロットはやめるべき?】見直したい3つの視点(チェックリスト付き)

「本当にやめなきゃダメなの?」

「たまにしかやってないし…」

「ストレス発散くらいで済んでる」

「生活に支障は出てない」

そんなふうに思っていませんか?

この記事では、「ギャンブルを完全にやめるべきなのか?」それとも「うまく付き合えばいいのか?」について、
脳のしくみと依存傾向の視点から、一緒に考えていきます。

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

STEP確認

この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP0-5」です。
シリーズの他の「STEP 0」記事もあわせて参考にしてみてください。

シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。

目次

ギャンブル自体は悪ではない。でも、注意すべき“ズレ”がある

ギャンブル自体は悪ではありませんが、注意すべき点があります。

ギャンブルが適切にコントロールされていれば、娯楽として楽しむことができます。実際に、趣味として楽しんでいる人も多いです。

しかし、いつの間にか「娯楽」が「習慣」や「依存」に変わることがあります。

最初は「少しだけ楽しむ」つもりが、

  • 回数が増える
  • 金額が増える
  • 気分に左右されるようになる

こうした変化が、「ズレ」の始まりです。

では、やめるべきかを判断する3つの視点

次の3つは、ギャンブルを「続けてもいい人」と「やめた方がいい人」を分ける判断軸になります。

① 時間とお金がコントロールできているか?

  • 決めた予算を守れているか
  • やめたいときにやめられているか

② 人間関係に影響が出ていないか?

  • 家族や友人との信頼を損ねていないか
  • 隠し事や言い訳が増えていないか

③ 自分でも「やめた方がいいかも」と思い始めていないか?

  • モヤモヤした罪悪感がある
  • 勝ってもスッキリしない
  • 「これでいいのか」と自問してしまう

減らすことはできるのか?──それが一番むずかしい理由

「別に完全にやめなくても、少しずつ減らせばいいんじゃない?」
そう思うのは自然なことです。実際、それでうまくいく人もいます。

でも──依存状態にある人にとって、「減らす」はもっとも難しい選択肢のひとつです。

脳の配線(報酬回路)がすでに変わっている

僕は元・機械保全士です。配線に不具合があると、正常に動作しません。
人間の脳も同じ。ギャンブルによって強化された“快感の配線”があると、「今日はこれだけ」「少しだけ」という判断すら、脳が上書きしてしまうんです。

  • 決めた上限を超えてしまう
  • 行かないと決めたのに足が向く
  • やめどきがわからないまま続けてしまう

これは「意志が弱い」のではなく、脳の自動運転モードが暴走している状態とも言えます。


減らすつもりが「戻る口実」になっていないか?

「完全にやめるのは怖いから、ちょっとだけ…」
その“ちょっと”が、いつの間にか戻る入口になっていませんか?

依存傾向がある場合、「減らす」は感情に流されやすい危険な道でもあります。


ギャンブル、やめるべき?セルフチェックリスト

次の項目のうち、あてはまる数が多いほど、「やめる」ことが自分を守る選択肢になる可能性があります。

コントロールできている?行動チェック(Yes / No)

  • □ 決めた予算・時間を超えることがある
  • □ 負けを取り返したくて、やめられなくなることがある
  • □ ギャンブルのことで家族や友人に隠し事をしたことがある
  • □ 本当はもう行きたくないのに、気づけば通ってしまっている
  • □ 負けたあとイライラしたり、気分が落ち込むことが多い
  • □ 「今日こそやめる」と思っても、またやってしまう
  • □ ギャンブル以外の趣味・楽しみが減ってきた
  • □ ギャンブルのせいでお金の余裕がなくなってきた
  • □ やっている最中、「自分、何してるんだろう」と思ったことがある
  • □ 「自分はまだ大丈夫」と言い訳している気がする

判定の目安(※診断ではなく気づきのための目安です)

  • 0〜2個程度なら:比較的コントロールできている状態かも
  • 3〜5個なら:目的や頻度がズレ始めているかもしれません
  • 6個以上なら:「やめる選択肢」が現実的に必要なタイミングかもしれません

異常は一気に壊れる前に必ず“小さなサイン”を出します。配線の焼け、振動音、温度の上昇──それと同じように、心や習慣にも「兆し」は出ています。気づいた今が、“止めて点検するタイミング”かもしれません。

※このリストは、医師や専門家による診断を目的としたものではありません。
あくまで自己理解と振り返りのための参考情報です。
状況に不安を感じる方は、以下のような公的な専門機関にご相談いただくことをおすすめします。

厚生労働省 依存症対策ポータルサイト

健全なギャンブル vs 有害なギャンブル行為

やめるべきか迷っている方は、このリストで「自分がどちら側に近いか」を確認してみてください。
どちらが正しい・間違っているではなく、“今の自分を知る”ことが第一歩です。

✅ 低リスクのギャンブル行為⚠ 有害なギャンブル行為(依存リスクが高い)
使うお金や時間をあらかじめ決めている予定より多くのお金や時間を使ってしまう
予定通りにやめられる負けを取り返そうとする
勝ちを「運がよかった」と捉えられる自分の技量で勝てると思い込む
負けを受け入れられる勝つまでやめられない
借金・家計を圧迫しない範囲で行う借金・他人の金・家計費に手を出す
他の趣味や予定も大切にしているギャンブルが最優先になる
問題から逃げるために使わない不安やストレスの逃避手段になっている
ギャンブルについて正直に話せる隠したり嘘をついてしまう
落ち着いた気持ちでプレイしている負けたあとに落ち込んだり怒ることが多い
家族・友人との関係に支障がないギャンブルが原因でケンカ・不信が生じる

参考:厚生労働省,ギャンブル依存症の理解と相談支援の視点,P40,2025/4/22
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633402.pdf

やめる=人生を取り戻す選択肢かもしれない

やめることは、「何かを失う」ことではありません。
むしろ──

  • 時間を取り戻せる
  • お金を守れる
  • 信頼関係が修復できる
  • 集中力や自信が戻ってくる

こういった“見えにくい損失”に気づき、「守る」ための選択肢でもあります。

まとめ:「やめる or 続ける」ではなく、“今の自分の状態”を知ることから

ポイント
  • ギャンブルは悪ではないが、コントロールできていない場合は依存に進行する可能性がある。
  • やめるべきか続けるべきかは、「時間とお金のコントロール」「人間関係への影響」「自分の罪悪感や疑念」を判断材料にする
  • 減らすことは難しく、依存状態の人には「ちょっとだけ」という選択肢が難しい場合が多い。
  • 依存が進む前に、セルフチェックリストで自分の状態を振り返り、必要なら専門機関に相談することが大切。
  • やめることは失うことではなく、時間やお金、信頼関係を守るための選択肢となりうる。

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

次回(STEP0-6)

次はギャンブル依存によって何がどう変わっていくのかを「4つのステージ」の順にわかりやすく解説していきます。

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参考・出典

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